オウンドメディア “Make Some NOISE!” ローンチによせて

─ フリークアウトは、2019年10月1日、創立の2010年10月1日より数えて9周年を迎えた。10期目をスタートさせた今、 “Make Some NOISE!” と題したオウンドメディアをローンチする背景や今後の展望とは。


安倉 知弘(やすくら ともひろ)

株式会社フリークアウト ・ホールディングス 取締役 広告事業管掌

2013年6月、当社へ入社。急成長する組織課題に取り組むべく、責任者として人事部門を立ち上げ、新卒・中途採用、人事制度構築や人材育成等に従事する。とりわけ新卒採用においては、独自のインターンシッププログラムにより当社のプレゼンスを高め、現在では管理職を担う多数の優秀な新卒学生の採用を成功させる。
2015年8月、当社グループのインドネシア法人の代表に就任し、現地にてネイティブ広告プラットフォーム事業の立ち上げに従事。日本での人事経験を生かし、現地のマーティング事情に精通した経験豊富なローカルメンバーの採用とチームビルディングに注力し、短期間で収益化に導く。
2017年12月、当社取締役就任。積極的な事業拠点の拡大と戦略的なM&Aを主導し、グローバル市場における競争力の向上を牽引。2019年9月期第3四半期決算において、海外広告事業の売上高は国内広告事業を上回っており、さらなる成長に向け経営のグローバル化を推進している。

─ フリークアウトは、インターネット広告のリアルタイム取引(RTB、Real-Time Bidding)を日本で初めて事業化して以来、常にAdTechのパイオニアとして、広告事業における新しい市場を開拓してきたと自負している。近年では、広告事業において蓄積してきた技術やノウハウを、 RetailTech、HRTech、FinTech事業に応用し、主力事業である広告分野以外にも領域を広げてきた。市場や事業領域の変化、挑戦を繰り返しながら、いま改めて「フリークアウトとは何者か」、安倉の考えを聞く。

激しく変動する市場環境に先んじて、自ら挑戦と変化を続ける

フリークアウトの創業事業ドメインであるRTB市場は、2008年頃にニューヨークで誕生したと言われています。その後の劇的な市場成長によって、カオスマップという呼称に表れているように、数多の広告技術に関わる事業領域が生み出されました。市場変化やそのプロセスについてはここでは割愛しますが、そういった市場の劇的な変化に先んじて、フリークアウトは自ら大きな挑戦・変化をし続け、これまで競争力を高めてきました。

国内初のDSP(Demand-Side Platform)専業から始まり、アドネットワーク、SSP(Supply-Side Platform)事業への拡大、インターネットを飛び出し、タクシーのデジタルサイネージ事業も手がけるようになりました。直近では、インターネットTVにおける新しい広告プロダクトのスタンダードを作っていくチャレンジも発表させていただきました。事業エリアも日本のみならず、世界15カ国にて事業を展開し、広告事業における海外売上比率はついに50%を超えるまでとなりました。

また現在では広告事業のみならず、HRTech、FinTechへも事業領域を広げています。2014年6月上場時の4社から、現在では38社のグループカンパニーとなり、上場子会社も誕生するまでに成長しました。

フリークアウトとは、一体何者なのか

劇的な市場変化の中、我々自身も事業領域を大きく拡大していく過程で「フリークアウトって何の会社なんだろう」、といった声もチラホラ聞こえるようになってきました。我々は「人に人らしい仕事を。」という経営理念を掲げ、テクノロジーをもってより創造的な社会に貢献する、ということを事業展開の核としています。しかし、あくまでそれは実現したい世界観であり、「我々は何者か」という問いに対しての答えは別にあると思っています。では、フリークアウトは何者なのか。その問いに対する回答は、実は創業初期のコーポレートサイトが示しています。

メッセージの内容と裏腹に、非常に地味で手作り感のある創業初期のコーポレートサイト。
まだ何者でもなかった創業当時から現在まで、創業者の本田のメッセージは一貫している。

我々は「度肝を抜く」会社、「ロックな反骨精神が見え隠れする」会社です。「世間的・業界的に受け入れがたいモノであったとしても、横並びで、無難な落ち着きどころを良しとせず、一石すら投じることの出来ないモノを世に送り出すことに何の意味があろうか」と信じている会社です。これこそが、我々が自身を“フリークアウト”たらしめる理由となっています。

我々は、度肝を抜かなくなったら、横並びで無難に落ち着いたら、フリークアウトではなくなる集団なのです。我々は、“フリークアウト”である以上、その目線を常に持ち続けなければなりません。

─ 「フリークアウトは自ら大きな挑戦・変化をし続け、これまで競争力を高めてきた。度肝を抜かなくなったら、横並びで無難に落ち着いたら、我々は自身を“フリークアウト”とは呼べない。」と語る安倉。業界再編の動きが加速し、流動と混沌を極めるこの市場で、今後フリークアウトは何を強みとし、どのような価値を生み出していくのか。

流動と混沌の時代ーー強い信念を仕事で実現できる人材こそ我々の資産

今や、インターネット広告市場は未曾有の時代に突入しています。日本市場でも、業界主力プレイヤーの統合や再編が進んでいることは記憶に新しいですが、グローバル市場においても、アクセンチュアを始めとするコンサルティングファームの台頭、米国アドテク業界の代表的存在の一つであったAppNexusのAT&Tグループ入り、また第三者配信事業者として世界に名を馳せていたSizmekの破産など、主力プレイヤーの入れ替わり、それに伴った業界再編の動きは加速しています。私は、そういった流動と混沌の市場環境だからこそ、合理的に帰結する「正しい仕事」ではなく、この答えのない時代には、「ありたい姿・やりたい仕事」の相対的価値がますます高くなってくると思っています。

インターネット普及の加速や市場自体の成熟によりタイムマシン経営が通用しなくなってきているこの時代、誰しもが半歩先の未来ですら自身の経験や他国での具体的事実に基づいて語ることが難しくなってきています。その上、一次情報に触れずともインターネットで検索すれば、即時にある程度確か“らしい”答えに辿り着くことに慣れてしまっている世代です。「答え」のない仮説に対して自分なりの視点を加えた解を持つ、ということ自体が、思考訓練の欠如により難しくなってきていると感じます。また仮にそういった独自のビューがあったとしても、ソーシャルネットワークのネガティブな側面の影響もあり、ポジションをとって外部に発信することで外野から叩かれる不安に晒されるため、発信自体を控えてる人も増えてきてるのではないでしょうか。

つまり、誰も答えを知らないテーマですら「自分の視点をもって」「発信できる」人が非常に少なくなってきているため、それらが出来る人は、それだけで希少価値はますます高くなってきています。そして、フリークアウトの存在思想に照らし合わせて、「こうありたい」と強い信念をもって、その仕事を体現できる人材こそが、我々の最大の資産だと考えています。

フリークアウトらしい挑戦と失敗から、次代の価値を生み出す

このメディアでは、そういったフリークアウト的思想をもった社員の「度肝を抜く」仕事をその真髄に迫って紹介していきたいと思っています。フリークアウトらしい稀有なチャレンジを中心に、業界の資産となるような読み応えのあるコンテンツとしていく予定です。我々の社員がこれまで実践してきた挑戦や失敗は、自社のみにならず、業界にとっても価値の高い資産となり、それがこの流動と混沌の時代に新たな答えを示すきっかけとなって、新しい競争市場を生み出せるかもしれません。そういった想いを込めて、今回 “Make Some NOISE!” を立ち上げることになりました。

自社ブログとしては、FreakOut Backyardという「フリークアウトの裏側をお届けする」ブログが先行しておりますが、Backyardでは引き続き日々の出来事をカジュアルにお伝えしていくのに対して、“Make Some NOISE!”では業界の資産となるような社員の仕事にフォーカスしていきます。
ますます流動と混沌を極めるこの市場に、一石を投じる(= Make Some Noise)ような仕事を、このメディアを通じて紹介していきます。乞うご期待ください。